パブロフの犬
今週のお題「卒業」
私の通った中学校は、とにかく自由で校則、制服、教科書、宿題がない。
芸能人や文化人、起業家を多数輩出してる。
つまり、自由人の集まりだ。
授業も静かになる時がない程、意見闊達。
授業もユニークで各科目毎に先生が違う。
つまり、その道の専門家の先生だ。
音楽の授業も、音楽のプロの先生が来て教えてくれる。
グランドピアノに座る先生の音に合わせて、
1人ずつ発生練習をして、生徒を4つのパートに分ける。
アルト、ソプラノ、テノール、バス
各パートに分かれ合唱する。
中学生ながらに本格的だ。
ある日、
ミュージカル「サンウドオブミュージック」の「クライムエブリーマウンテン(全ての山に登れ)」を練習。
歌詞は英語だからよくわからんが、とにかく素敵な音楽。
映画でもクライマックスに流れる迫力のある曲。
みんな大好き!
授業中、この曲が始まると、一斉にイェーイ!と大盛りあがり!
そして、自分達の中学校卒業式で歌う事に。
みんな大喜びだけど、楽しかった中学校生活が走馬灯のように思い出され、その生活が終わってしまうと思うと、寂しくて悲しくて、涙が溢れてうまく歌えない。
みんな大号泣だ。
普段絶対泣くようなタイプではない奴も恥ずかしがる様子もなく大号泣してる。
嗚咽で歌えないほどだ。すごい曲だ。
皆、なんとか歌い終え、次の曲の合唱。
それはなぜかみんな普通に歌える。
泣いていた事なんか嘘のようにケロっとしてる。
普通に歌える曲が2、3曲続き、
在校生の言葉や合唱があり、1人ずつの卒業証書授与。
卒業証書授与は、人数多くてさすがにダレる。
自由人達は、ジッとしているのが苦手だ。
だんだん騒ぎ始めて、雑談する。
式そっちのけ。
そして、式の最後に差し掛かり、
在校生と卒業生全員での合唱。
曲は、また「クライムエブリーマウンテン」
ダレて、すっかり飽きて、雑談ばかりの卒業生が全員また歌いながら号泣!
とても数秒前の奴らとは思えないほど
泣いている。
自分も含めて。
すっかりパブロフの犬状態。笑
30年以上経った今でも
クライムエブリーマウンテンを聴くだけ泣けてくる。
パブロフの犬って強烈だな!
すっかり訓練されて、いつまでも抜けない。
我ながらウケる 笑
・パブロフの犬とは、
条件反射(じょうけんはんしゃ)。動物において、訓練や経験によって後天的に獲得される反射行動のこと。