人事部へのいばらの道
先日、カンファレンスで人事経験者3人が「人事のキャリア」について語る記事を読んだ。
3人とも学歴、有名企業の職歴。
でも、人事歴はそんなに長くない。
「何を話すか」というより、「誰が話すか」が重要な世の中。
人事経験者だったらそれなりに自分の意見を持っているだろうし、
語れるだろうけど、良い学歴、職歴の人じゃないと人が集まらないのか。
この世の中、そんなことだらけ。
私も入社当時、人事になって意見を言うけど、全然聞いてもらえない。
はいはい、って感じで。
同じことを言っても、あの人はちゃんと聞いてもらっている。
何が違うんだろ??って考えた。
あ、成果を出しているんだって思った。
しかも、社歴が長く信頼関係ができてるんだ。
自分の意見を聞いてもらう一番の近道は、成果を出すことなんだ、きっと。
それから、意見うんぬんではなく、とにかく、仕事に集中した。成果を出そうと。
そして、いつの間にか、「あなたに任せるよ」とか「いつも説得力あるね」と言われるようになっていた。
11年間専業主婦をして、離婚を機に小学校低学年の子供を抱えて、社会復帰をしなければならなかった当時。
それはそれはもう大変だった。
大手派遣会社に登録に行ったら
「あなたに紹介できる仕事はありません」
と言われてしまった。。。
11年間専業主婦だと仕事ないんだ・・・困った。
って状況から、元夫が教育研修会社を紹介してくれた。
「君に一番合う会社だと思うよ」と。なんてありがたい!
社長面接で「AかBかCの仕事どれする?」と言われ、「Aは朝早いからお子さん小さいし無理だね、Bはお客さんが固定になるから異動しにくくなる、Cは管理部門だから、そこがいいね」と言われ、C仕事に。
「いくら給与もらったら生活できるの?」と聞いてくれたけど、それすらわからない。
でもとにかくがんばります!って感じだった。
後から社長に聞いたけど、お客様からのご紹介はどんな人でも絶対断らず、入れると決めていたそうだ。
そのC仕事は、入社後半年間は来客へのお茶出し、コピー取り、手書きをPCに清書仕事。
専業主婦からの社会復帰では、これくらいしかできない。
事務の人に結構意地悪な事言われたり、新入社員にお茶出し依頼されたりもした。
ママ友とか人間関係では鍛えられていたから、ぐっとこらえていた。
それだけは自信あった。
でも、PowerPointも、PDCAもわからない。お礼状もメールも書けない。
そこからのスタートだった。
半年後、手書きで「今の仕事」を書き上げ、社長に持って行った。
「今担当している仕事です。これは完璧にできるので、もっと仕事をください」
社長は、「こんなことやっていたんだ、ごめんね。では、新卒採用の受付とかやってみたら?」と言われ、大喜びでやらせてもらった。
会社説明会の受付をすると学生とも仲良くなる。就活状況もわかる。
それを面接者に伝えたりしながら、内定が出たりすると、採用に関われた事がうれしく、楽しかった。
よし!来年は今回の改善点を活かし、企画からするぞ!と意気込んでいた。
これが私の人事部としてのスタートで、同時に立ち上げを担当することになった。
そして、初めての新卒採用企画を任された。
しかし、その初企画は、私の一生に残るとんでもない採用になってしまった。